市は31日、台風19号で被害を受けた市内の中小の製造業は、29日現在で中原区と高津区を中心に101件、被害額推計で約48億7200万円にのぼると発表した。中小のものづくり企業が被災、一部は設備が泥水をかぶるなど操業停止に追い込まれている。商店やサービス業などは市全体で178件、推計約8億4000万円の被害があった。市は中小企業を対象にした独自の融資制度「災害対策資金」を拡充、設備が被災した場合の融資期間を延長し、従来は最大で1億6000万円だった融資枠も国の激甚災害認定を受けて最大4億4000万円で対応する。29日現在の農業被害については高津区や宮前区で45件約890万円。
罹災証明の発行開始 応急修理も受け付け(10/28)
市は28日、台風19号で被災した人たちへの罹災証明書の発行を始めた。震災被害が大きく、市職員が出向いて調査を終えた中原、高津、多摩3区の人に順次発行する。証明書は、「全壊」、「大規模半壊」など家屋被害を証明するもので、被害状況に応じて生活再建に向けた支援金の額などが決まる。2151件の申請が現時点であり、被災した人に順次郵送されるほか区役所でも受け取れる。同日には災害救助法に基づく自宅の応急修理制度の受け付けも始めた。
寄付金受入れ口座初めて市が開設 台風19号の被災者支援(10/25)
市は25日、台風19号で被災した市民に支援する寄付をしたいという人からの問い合わせが多いため、初めて市内被災者向けの口座を開設した。金融機関は横浜銀行、川崎信用金庫、セレサ川崎農業協同組合(JAセレサ川崎)で、窓口で振り込めばどの支店からでも振込手数料は無料となる。口座名義はいずれも「川崎市災害対策本部」。市は18日からホームページやふるさと納税のポータルサイトで、クレジットカード払いによる寄付も受け付けている。
罹災証明書の迅速発行へ 申請前に調査も(10/17)
市は17日、公的支援を受けるために必要な「罹災証明書」の発行をするため、台風19号で浸水した建物の被害調査を始める。本来は申請を受けてから調査するが、被害が集中している地域では、申請前でも調査する。調査は職員が2人1組で行い、中原、高津、多摩の3区に計38組を派遣し、被害が大きかった地域は21日までの調査完了を目指す。調査の結果、必要があれば、その場で申請を受け付け、ワンストップで迅速な発行を行う。
被災者支援へボランティアセンターを初めて設置(10/16)
市と市社会福祉協議会などは16日、台風19号による被災者を支援する災害ボランティアセンターを設置し、支援が必要な人とボランティアに参加できる人を募り始めた。同センターの設置は、制度が発足した2008年以降初めて。市などによると建物の浸水被害は中原区約720棟、高津区約560棟、幸区約20棟、多摩区約50棟で、床上浸水している家屋も多く、排水が終わった後も泥の掻き出しや掃除、家具の搬出などに人手が必要という。
一時中止の「さんま祭り」29日復興支援で開催へ(9/21)
川崎市地方卸売市場南部市場(幸区)は、北海道地震の影響で根室産のサンマの入荷見込みが立たなくなったとして、一度は中止となった「さんま祭り」を市民の要望などを受けて29日に開催することを決めた。祭りは2005年に始まり、恒例のイベントとして定着しており、当日はサンマ1500匹を無料で配る。会場では北海道を支援する募金も行い、日赤の北海道胆振東部地震災害義捐金に寄付される。
被災者支援に126万円寄付 市民文化大使の国府さん(9/14)
ジャズピアニストで市民文化大使の国府弘子さんと川崎アゼリア社長が15日、募金などで集めた約126万円を市に寄付した。市民文化大使の国府さんは、2016年から毎年地下街アゼリアで、着席料金を募金に回すチャリティーコンサートを開いてきた。アゼリアの各店舗に設置した募金箱とあわせて約3年分の寄付金の目録を福田市長に手渡した。寄付は、東日本大震災と熊本地震の被災者支援に使われる。国府さんは県立多摩高校出身で熊本県の音楽大学客員教授をしている。
北海道地震へ救助支援 市が消防ヘリ派遣(9/6)
6日未明に発生した北海道胆振地方を震源とする地震を受け、川崎市消防局は消防庁の要請に基づき、救助用ヘリコプター「そよかぜ2」で消防隊員5人を人命救助目的で派遣した。また災害医療のコーディネーターとして市立川崎病院の放射線技師が道庁に入る予定。一方、市南部市場(幸区)で8日に開催予定だった例年恒例の「さんま祭り」が中止となった。仕入れ先の北海道からサンマ入荷が見込めないからとしている。
西日本豪雨被災者に市が住宅を無償提供(7/19)
市は19日、西日本豪雨で被災した人に対して、市営住宅と市住宅供給公社の住宅計20戸を一時避難先として提供すると発表した。提供するのは市営住宅17戸と同公社の住宅3戸で、いずれも家賃と敷金、駐車場代を免除するほか、浴槽とガスコンロ、照明器具を市が用意する。被害は中国・四国地方が中心だが親族や知人を頼って市内への避難を希望する人もいると判断した。また岡山、広島、愛媛の各県に、見舞金を100万円ずつ送ることを決めた。
被災者支援政令市に権限移譲 改正災害救助法成立(6/8)
大規模災害時の被災者支援の権限を都道府県から政令指定都市に移譲できる改正災害救助法が8日参院本会議で全会一致で可決、成立した。避難所設置や仮設住宅の整備などで、政令市の迅速な対応が可能となる一方、都道府県は政令市以外の被災自治体の支援に注力できる。これまで全国知事会を代表して黒岩祐治知事は反対の意向を示していたが、法の成立を受けて協力の姿勢を明確にした。福田紀彦市長も権限移譲に前向きな見解を示している。