市人権・男女共同参画室が15日、X(ツイッター)にアカウントを開設、外国人市民を標的にしたヘイトスピーチの防止を呼びかけた。この日衆院選が公示され、選挙運動、政治活動の自由は民主主義の根幹としつつも、ヘイトスピーチは市条例で禁止されていると明示した。同日の投稿は4本で、外国ルーツ市民に対するヘイトスピーチに刑事罰を与える市条例に言及、路上でもインターネット上でも特定の国の外国人市民を排斥する差別的言動は条例で禁じられ許されないと指摘した。
「祖国へ帰れ」裁判の意義訴える出版記念会 川崎区で(10/12)
在日コリアン女性への「祖国へ帰れ」とのインターネット投稿は「差別で違法」と認定した横浜地裁川崎支部判決を受け、その意義を振り返る本「『帰れ』ではなく『ともに』」(大月書店)の出版記念会が12日、市労連会館(川崎区)で開かれた。被害を受け提訴した崔江以子さんや訴訟を担当した神原元、師岡康子弁護士ら共著者が登壇、執筆に込めた思いや人種差別撤廃基本法と差別禁止法制定の必要性を訴えた。市条例制定に尽力した元参院議員・斎藤文夫さんのメッセージも寄せられた。
差別のない人権尊重条例は日本一先進的 施行4周年で市民団体(6/27)
「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は27日会見し、7月1日全面施行4年を迎える市差別のない人権尊重の街づくり条例について、刑事罰を設けた全国唯一の条例を日本一先進的と評価、罰則対象の差別的街宣活動が抑止され、川崎駅前読書会など市民による差別反対の文化が育っているとした。同日は市制100周年記念日でもあり市の人権施策の歩みを讃え、インターネット上のヘイトスピーチの抑止など反ヘイト施策の拡大を訴えた。
過去最多の削除要請 差別的投稿104件(6/11)
市は11日、差別のない人権尊重のまちづくり条例に基づき、インターネット上の投稿104件を市内在住の在日3世の崔江以子さんに対する差別的な言動と認定し、サイト運営者に削除要請したと発表した。一度の要請数としては過去最多で、崔さんに関する報道を引用しながら「生まれてこなければいいのに」「死刑」「帰れ」駆除すべき害虫」などといった内容。2020年4月の運用開始から削除要請は386件で、9件を除いて崔さんへの攻撃に集中している。
「子どもの権利」うんこ先生が解説 市が「うんこドリル」作成(5/21)
市は21日、子どもの権利をテーマとした「うんこドリル」を作成したと発表した。「うんこドリル」は子供たちに人気の教材シリーズ(文響社)。市とうんこドリルがコラボし、ドリルでおなじみのうんこ先生がわかりやすく、楽しく子どもの権利について解説する。子どもの「安心して生きる権利」や「ありのままの自分でいる権利」など、どんな時に権利行使できるかをイラストで説明。A5版カラー20ページで2万部発行。7月1日から市内3か所でお披露目イベントを開催。
差別書き込みで刑事告訴 川崎区の在日女性(3/18)
インターネット上でヘイトスピーチで攻撃されている在日コリアン3世、崔江以子さん(川崎区在住50)は18日、2月21日の電子掲示板に名指しで「日本から出て行け」「死ね」などと206に及ぶ差別的表現で書き込みをした人物を侮辱罪で刑事告訴すると発表した。崔さんは2021年にも「コロナ入り」などと書かれた手紙を職場に送付され、脅迫容疑での捜査が容疑者不詳で17日時効に。代理人の師岡康子弁護士は在日コリアンゆえの差別でありヘイトクライムだと強調している。
特定地域を「燃やせ」 ネット投稿41件ヘイト認定(2/13)
市差別防止対策等審査会(会長・吉戒修一弁護士・元東京高裁長官)は13日、インターネット上で在日コリアン女性を排斥する投稿29件と、特定地区の在日コリアン住民に「燃やせ」と危害を加えるよう呼びかける書き込み2件をヘイトスピーチと認定した。継続審議になっていた1件について、「本邦外出身者を理由にした排除とは認められない」とし、諮問を受けて削除要請が妥当でない初の判断を示した。
危害告知でヘイト投稿初認定 市審査会(12/26)
市差別防止対策等審査会(会長・元東京高裁長官 吉戒修一弁護士)は26日、市内の特定地域に暮らす在日コリアンの住民たちを殺害するというインターネット上の投稿をヘイトスピーチに認定、市が削除を要請することは妥当との判断を示した。市内のある特定地区の在日コリアン住民の集団に対して、「出ていけ」と排斥する言動をヘイトスピーチと判断した例は1件あるが、危害告知の類型は初めての認定。
改正入管法反対で街頭行動 世界人権デー(12/9)
「世界人権デー」の10日、6月に成立した改正入管法の施行に反対し、一時的に収容を解かれている「仮放免」中の子どもたちに在留資格を求める街頭行動が全国9都市であり、市内でもJR川崎駅東口で市民団体が呼びかけ計約400人が参加した。2024年までに施行される改正入管法は、難民認定を3回以上申請している外国人は、申請中であっても強制送還の対象になり、「難民の命を危険にさらす」との批判が出ている。
アウティングは重大な人権侵害 市議会で市長(12/7)
7日の市議会定例会本会議で福田市長は河野ゆかり議員(公明)の代表質問に答え、本人の同意なく性的指向や性自認を第三者に暴露する「アウティング」について、「重大な人権侵害」との認識を示した。アウティングについては職場や学校などで被害に遭った性的マイノリテイーの人が精神疾患の発症や自殺したりしたケースもある。市は当事者がどんなことに悩み苦しんでいるかをを知ってもらうことが重要としている。