社会福祉法人「母子育成会」(川崎区)の元理事長が法人の金約8億5千万円を私的に流用していた問題で、市は14日、同法人への監査などについての検証報告書を公表した。県から市に監査権限が移った2016年度から経営状況が厳しいことを認識していたが、監査は同じ項目を前例踏襲的に行い、特別監査への切り替えや改善勧告等の措置をとらず、組織的な情報共有も怠っていた。理事などに市の元幹部職員が就任していたが、監査への働きかけなどは確認されなかったとした。元理事長については同法人が刑事告訴し、県警が捜査を続けている。