多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンの虐殺を予告する脅迫状を送るなど業務を妨害したとして、威力業務妨害罪に問われた元同市職員、荻原誠一被告(70)の初公判が23日、横浜地裁川崎支部であった。被告は起訴内容を認め、検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。「ふれあい館」の職員は、ヘイトクライム(憎悪犯罪)を許さない姿勢を判決で明らかにしてほしいと訴えた。
川崎中1殺害 元少年らに2審も賠償命令(6/24)
川崎区の多摩川河川敷で2015年2月、中学1年の上村遼太さん(当時13)が殺害された事件で、上村さんの遺族が加害者の元少年3人と親の計8人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、元少年3人を含む6人に約5500万円の支払いを命じた一審横浜地裁判決を支持、元少年側の控訴を棄却した。リーダー格の元少年の親は賠償額を争ったが慰謝料として相当とし、暴行自体を否定、賠償責任はないとした同級生は供述が不自然で曖昧として関与を認定した。
ヘイトはがき送付容疑 元市職員再逮捕(6/12)
市の多文化交流施設「ふれあい館」(川崎区)に1月、在日コリアンを脅迫するはがきが届いた事件で、県警は12日元市職員荻原誠一容疑者(69)を威力業務妨害で再逮捕した。ふれあい館では1~3月市が警備員を配置するなど対応してきたが、1月の利用者は4233人と前年同月比1500人近く減った。荻原容疑者は昨年11月、横浜市の私立白鵬高校への爆破予告文を送ったとして同容疑で起訴されたが、特定の職員との個人的なトラブルが動機と供述しているという。
高校に爆破予告で元市職員を逮捕 ふれあい館の爆破予告も関連か(6/2)
県警は2日、私立白鵬女子高(横浜市鶴見区)に爆破予告の脅迫文を送ったとして、威力業務妨害の疑いで元市職員、荻原誠一容疑者(69)を逮捕した。逮捕容疑は同校に「御校を全て、ばく破し、取りこわす」などと書いた脅迫文を郵送し、授業を妨害したとしている。脅迫文には差出人として実在の市職員の名前が記載され、周辺を捜査し同容疑者が浮上した。福田市長は2日の記者会見で、桜本の「ふれあい館」の爆破予告にも同じ市職員の名が書かれていたことを明らかにした。
登戸児童ら殺傷1年現場で献花 見守り活動も(5/28)
多摩区の路上でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件から1年となった28日、登戸駅近くの事件現場では発生時刻の午前7時半過ぎに同校の内藤貞子校長らが訪れ、犠牲者らの冥福を祈った。また事件を機に毎月28が「多摩区子どもの見守りの日」に設定されたが、この日は新型コロナウイルスの影響で市立学校が3月から臨時休校となっているなか臨時の登校日となり、市立小学校近くで警察官や地域住民らが見守りの日の活動を行った。
変わる日進町簡宿 火災から5年(5/17)
川崎区日進町の簡易宿泊所(簡宿)2棟が全焼し、11人が死亡した火災から17日で5年を迎えた。市が訪日外国人(インバウンド)向け宿泊施設への改修を後押し、利用客にアパートなどへの転居を促した結果、簡宿は経営者の高齢化もあって半減し、利用客も4分の1まで減った。市は火災後、新たな来街者を呼び込むためインバウンドや女性客向けにリノベーション(大規模改修)する簡宿に費用助成制度を新設し、これまでに4棟が新装開業、1棟が近くリニューアルオープンする。簡宿で寝泊まりする生活保護利用者には、民間の賃貸住宅の紹介や引っ越し業者の手配など自立支援を強化した。
中1殺害から5年 多摩川河川敷で献花(2/20)
川崎区の多摩川河川敷で2015年、中学1年の上村遼太さん(当時13歳)が殺害された事件から5年となった20日、友人や地元住民らが現場で献花し、事件後に各地から寄せられたメッセージを読み返して上村さんをしのんだ。福田市長は18日の記者会見で「学校など各機関がそれぞれ情報を持っていたが総合的にみられなかった。児童相談体制整備に取り組んでおり、地域の人を巻き込みながら引き続き頑張っていく」と話した。
ふれあい館脅迫で市が被害届提出 法律家らは国に4万人分の署名(2/7)
市は7日、多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区桜本)を標的に在日コリアンに危害を加えることを示唆し、同館を爆破するなどの郵便はがきが1月中に2回、同館や市役所に届いた問題で威力業務妨害容疑の被害届を川崎臨港署に出し、同日受理された。法律家らで組織する「外国人人権法連絡会」(田中宏共同代表)は6日これらの問題で、国に対し非難声明を出して具体的な対策を取るよう求め、声明文と約4万人分の賛同署名を法務省に提出した。
ふれあい館爆破予告 市役所に脅迫はがき(1/29)
市は29日、多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区桜本)の爆破などを示唆する脅迫はがきが市に届いたと発表した。はがきは27日、特定の市職員に宛て勤務先の職場に届いたもので、ふれあい館を爆破すると書かれていたほか在日韓国人に危害を加える記述などがあった。同館には年明けにも在日コリアンを「抹殺」「殺していこう」などと書かれた年賀状が送り付けられている。市と川崎臨港警察署が施設を点検、不審物は見つかっていないが、市は29日にふれあい館に警備員を配置した。
被害届を市が提出へ ふれあい館脅迫年賀状(1/23)
川崎区の多文化交流施設「市ふれあい館」に在日コリアンを脅迫する文言が書かれた年賀はがきが届いた問題で、福田市長は23日の記者会見で、「こうした脅迫は決して許されない。人権条例の趣旨に反する行為だ」と述べ、市として警察に被害届を出す意向を示した。市は威力業務妨害に当たる可能性があるとみており、利用者の不安を払拭するため、同館に警備員の配置を準備中としている。同館の利用者は乳幼児からお年寄りまで幅広いが、はがきが見つかった4日から21日までの利用者は2315人と前年同時期比で843人(約27%)減っている。