市の現職・元教職員らでつくる市民団体「ゆきとどいた教育をすすめる川崎市民の会」は3日、教職員の未配置解消を求める署名1万2183筆と請願を市議会に提出した。今年4月初旬の市立小中高校と特別支援学校の教員の未充足数は今年5月時点で140.5人、昨年5月の59.5人と比べ2倍以上に。月平均残業時間が過労死ラインとされる80時間を超えた教員比率は2022年度19.4%。20~30代に多い退職者は23年度退職者全体(189人)の3分の2近い121人に達している。
市立学校経由のチラシ配布廃止 アプリで周知(6/3)
市は3日から、これまで各市立学校を経由してのチラシ(印刷物)配布をやめ、原則「かわさきイベントアプリ」で配信する。4月から各学校でアプリの周知を図り、これまでに約2万6千回ダウンロードされた。市が利用規則に基づきチェックした行政や民間のイベントが配信される。アプリ活用により年間320万枚以上の配布物が減り、紙資源や配送費用の削減が見込まれる。今後アプリの認知度向上などを促し、来年度からの完全運用を目指していく。
教職員のハラスメントで意見表明 17年ぶり市人権オンブズパーソン(5/20)
市人権オンブズパーソンは、市教職員へのハラスメントに関するアンケートの結果等を踏まえ、職場環境の改善が必要と判断、20日に教育長に意見表明した。意見表明は17年ぶり、ハラスメントに関する周知啓発活動の充実や効果的研修の実施、相談体制の充実を求めるもの。アンケートに回答した1184人(回答率約14%)から「過去3年間にパワハラを受けた」217人(約18%)、セクハラ被害51人(約4%)の回答があり、被害後の行動(複数回答)は「何もしなかった(できなかった)」が4割前後で「何も変わらないと思った」が理由の最多。
川崎のルーツ歴史公園オープン「橘樹歴史公園」(高津区)(5/18)
飛鳥時代の倉庫などを復元した「橘樹歴史公園」(高津区)が18日オープンし、記念式典が行われた。式典には来賓約70人や周辺住民など200人以上が来場した。福田市長は「橘樹郡司」として再現された装束を身に着けて登場、現在の市域と橘樹郡の範囲が重なることに触れ、「川崎のルーツがここにあり、この歴史的な場所が未来の子供たちまでつながってくれれば」とあいさつした。
市教委上告を断念 教科書選定音声データ開示訴訟(5/2)
市立学校の教科用図書選定審議会(非公開)などの音声データを巡る訴訟で一審に続き、市教育委員会に原告の元教員男性2人へのデータの開示請求拒否処分を取り消すよう命じた東京高裁判決に対して市教委は2日、上告を断念すると発表した。その理由として、上告等の理由を見出すことが難しく、上告しても有利な結果が得られる可能性が極めて低く、結論の先延ばしを図るに過ぎないと判断したとしている。
市民館・労働会館2026年2月に供用開始 川崎区富士見(4/25)
市教育委員会は25日の市議会文教委員会で、川崎区の市立労働会館を改修し、市教育文化会館の市民館機能を移転して再編整備する「川崎市民館・労働会館(仮称)」について、2026年2月の供用開始を明らかにした。ホール(定員668人)とミニホール(同150人)、体育室や市民ギャラリー、図書コーナー、演奏活動ができるスタジオ、料理室、和室などが整備される。教育文化会館の解体は26年2月、跡地に整備する多目的広場の供用開始は28年4月予定。
教科書選定音声データ非開示取り消し 市の控訴棄却(4/24)
教科書採択に関する選定審議会(非公開)などの音声データを市教育委員会が非開示にしたのは市情報公開条例に違反するとして、元教員男性2人が市に取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、市に開示拒否処分の取り消しを命じた一審の横浜地裁判決を支持し、市側の控訴を棄却した。市側は「音声データの一部が抜き出されるなどして発言者の意図が歪曲されて伝わる恐れがある」などと主張したが、判決は「具体的に想定しがたい」などとした。
富士通社員を非常勤講師に任用 市教委(4/22)
市教育委員会は22日、2014年に富士通㈱(中原区)と締結したICT(情報通信技術)環境の充実や次世代育成などの分野で連携・協力する包括協定を踏まえ、4月から来年3月までシニア社員4人を非常勤講師として任用すると発表した。民間企業に籍を置いたまま1年程度、授業を担当するのは全国初。川崎総合科学高校2人、川崎中学校、上丸子小学校に各1人を配属、週2~4日勤務する。シニア社員のキャリア形成を支援する同社が企業人材の活用を検討していた市教委に打診して実現した。
飛鳥時代の倉庫「橘樹歴史公園」に復元 来月18日開園(4/16)
7~10世紀の役所跡などがある国指定史跡「橘樹(たちばな)官衙(かんが)遺跡群」(高津区千年など)について、市教育委員会は「橘樹歴史公園」を5月18日開園すると発表した。全国で初めて飛鳥時代の倉庫が復元され、市民らの寄付で制作された古代衣装も試着できる。この遺跡群は現在の市域とほぼ重なる武蔵国橘樹郡の役所の倉庫などの痕跡があり、当時の地方行政の拠点の実態や推移を示し、2015年に市で初めて国史跡に指定された。公園整備は2022年に始まり、総事業費は2億6416万円、うち1億8634万円が倉庫の復元に。入園無料。
市立看護短大29年の歴史に幕 最後の卒業生70人(3/2)
本年度で閉学する市立看護短期大学(幸区)の卒業式が2日、同校で開かれた。1995年の開学以来2053人の卒業生を輩出してきたが、短大への進学者減少などで29年の歴史の幕を閉じた。卒業生は男性1人、女性69人で進学などを除き62人が医療機関などに就職予定。うち41人が市内に就職する。市は4年制の市立看護大を2022年度に開学、25年には大学院も開設予定。