羽田空港の発着枠拡大のため、3月に運用が始まった新飛行ルートを巡り、直下の市や渋谷区、港区の住民ら29人が12日、市の石油コンビナート上空の通過を認めた国の通知は違法として、取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。国が1970年に指示した「市の石油コンビナート上空を避ける」との通知が、新ルート適用に合わせて廃止され、危険な区域の飛行を禁じる航空法に違反するとしている。新ルートは離陸直後に通過する多摩川河口の干潟が渡り鳥の繁殖、越冬地となっており、鳥が飛行機にぶつかる「バードストライク」がこの空域で発生すれば隣接する石油コンビナート地域に墜落する危険が十分あるとしている。