岡本太郎賞に最年少18歳の大西さん コロナの悲惨題材に(2/19)

若き芸術家たちの登竜門とされる「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」の授賞式が19日、市岡本太郎美術館(多摩区)で行われた。最高賞の岡本太郎賞には史上最年少で大阪府富田林市の高校生大西茅布さん(18)の作品「レクイコロス」。次点の岡本敏子賞には高津区の彫刻家モリソン小林さん(51)の作品「break on through」が選ばれた。大西さんの題名は「レクイエム(鎮魂)」と「コロナウイルス」の合成語でコロナ禍の悲惨さが題材。人物の群像を描いた55枚のキャンバスが縦横各約5㍍、奥行き約4.4㍍の空間に並ぶ大作。

川崎駅西口にエンタメ劇場を整備 22年度完成目指す(2/16)

市は16日、JR川崎駅西口にお笑いライブや音楽イベントなどのエンターティンメント劇場を整備し、事業者にホリプロが代表の団体とすると発表した。JR川崎タワーに隣接する市有地約1千㎡を事業者が市から有償で借地し(原則20年間)、2022年度中の完成を目指す。市はにぎわいや回遊性とともに、都市的な緑地整備を行う地区と位置付け、昨年民間提案を募集していた。コンセプトは「緑のまちづくり」「音楽や映像のまちづくり」を推進するエンターテインメントホール「グリーンアートシアター」。大小二つのホールを整備し、音楽を軸にお笑いやトークショーのほか料理教室など参加型の催しへの活用を想定する。

被災収蔵品4万2237点廃棄処分へ 市民ミュージアム(1/21)

2019年の台風19号により浸水した市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品4万2237点を廃棄処分にすると21日、市が発表した。廃棄処分の85%は「漫画」の単行本と雑誌計約3万6300点が占め、手塚治虫の「鉄腕アトム」や、ちばてつやの「あしたのジョー」の単行本のほか、初版本なども含まれる。「写真」では、1924年以降の「アサヒグラフ」や「LIFE」など雑誌約4800点。「映像」で学校教材の16ミリフィルム約100点。「民俗」で、企画展用に制作された藁人形4点、「グラフィック」で1点。市は全被災収蔵品の修復を掲げてきたが断念した。今後、同館の指定管理者と協議して処分方法や時期を決める。

建物利用希望庁内なし 台風浸水の市ミュージアム (1/20)

2019年の台風19号で地下収蔵庫などが浸水した市市民ミュージアム(中原区)の建物について、庁内で利用希望を募ったが20日、希望がなかったことが明らかになった。ミュージアムの在り方検討部会は昨年11月、等々力緑地以外で新施設整備が望ましいとしており、市はミュージアムとしての使用をしないことを決めた。建物は建築家、菊竹清訓の設計で建築的価値が高い。市は建物の今後について検討を進める。同建物は築30年以上で、経年劣化が激しく、利用するには高額な費用が必要という。

本庁舎工事現場に56㍍の壁画 現代アーティスト5人共同制作(12/8)

市役所本庁舎の建設工事現場の仮囲いにスプレー缶や筆で描かれた「ミューラルアート(壁画)」が8日完成した。庁舎北側の一面にある高さ3㍍幅56㍍のスチール製”キャンバス“に、現代アーティスト5人が「江戸から現代・未来にかけての芸術、若者文化の成長や変化」をテーマに共同制作。時代の変遷を絵巻風に表現し、市歌の歌詞や市章などを盛り込み、江戸時代の忍者がブレイクダンサーにつながるなど遊び心溢れるストーリーも随所に詰め込む。新庁舎完成の2022年度まで公開予定。

「音楽の街・川崎」推進協に寄付 老舗菓子店「末広庵」(12/2)

「音楽のまち・かわさき」の活動に賛同し、関連商品をシリーズで販売している川崎区の老舗菓子店「菓子匠 末広庵」が2日、菓子の売り上げの一部約6万円を「音楽のまち・かわさき」推進協議会に寄付した。同社が森永製菓の特許技術を活かして商品化した大福「エンゼルのほっぺ」と、音楽のまち・かわさき10周年を記念し2014年に商品化したマドレーヌ「わおん」の売り上げ1個につき1円を寄付したもので、同社の寄付は5回目。

戦中に供出の江戸期の半鐘 川崎区の遍照寺へ戻る(12/2)

市教育委員会は2日、「武州橘樹郡河崎領」(現在の川崎市)の文字が刻まれた、江戸時代の希少な半鐘が静岡県で見つかったと発表した。表面の文字を解読した結果、川崎区中島の古刹、遍照寺に寄進されたもので第2次大戦中に金属供出されたものと判明。半鐘は高さ64㌢、重さ30キロの青銅製で、軍需工場だった静岡県富士市の鉄工所で保管されていた。同寺は1600年過ぎに建立、川崎大空襲で全焼したため井戸に沈め焼失を免れた木製のご本尊とともに、貴重な地域の財産にしたいという。

等々力緑地外移転で一致 市民ミュージアム(11/16)

昨年10月の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)の在り方を検討する市文化芸術振興会議の検討部会が16日開かれ、現在立地する等々力緑地での再開は困難として、同緑地外に新たな施設を整備することで一致した。美術館と博物館の機能は保ち、収蔵庫と展示室は基本的に分散せず、同一施設内に整備する。9~10月に実施した市民アンケートの結果も報告され、同ミュージアムに行ったことがある人は37%にとどまることがわかった。

市側は争う姿勢 市民ミュージアム浸水訴訟(11/2)

昨秋の台風19号で市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品の約9割に浸水被害が出た問題で、市民団体「かわさき市民オンブズマン」が市長や指定管理者らに計20億円を損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が2日、横浜地裁で開かれ、市側は請求棄却を求める答弁書を提出した。訴状によると、同館はハザードマップで浸水が想定されており、地上階へ作品を移すか浸水防止措置を取れば被害は防げたとしている。市側は、オンブズマンの住民監査請求を市監査委員が一部却下したことなどから訴えは不適法と主張した。

昨年の「しんゆり映画祭」上映中止問題を検証 監督らオンライン講座で(10/24)

昨年の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で、慰安婦問題をテーマにした映画「主戦場」の上映中止を巡って問題を検証する「連続オンライン公開講座」(全6回)が24日から始まった。初回はジャーナリストの金平茂紀さん、映画監督の森達也さんらが出演し、「目に見えない恐怖や不安」が背景にあると語った。第2回では上映中止に抗議して作品を引き揚げた白石和彌監督らが「問題が起こりそうな作品を事前に落とす動き」を懸念し、「上映中止になった過程をオープンに」などと話した。

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