在日コリアンの女性を誹謗中傷する差別的な投稿をツィッターで繰り返し、川崎区の在日3世 崔江以子さんの名誉を傷つけたとして、川崎区検は27日、県迷惑防止条例違反の罪で藤沢市の男性(51)を略式起訴し、川崎簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。弁護団によると、インターネット上の差別的な書き込みに対し、迷惑防止条例違反が適用されたのは全国で初めて、同様の行為に対する抑止力となると評価している。
全国初ヘイト刑事罰条例成立(12/12)
公共の場でヘイトスピーチを繰り返した者に刑事罰を科す「市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が12日、市議会本会議で可決、成立した。条例は、道路や公園など公共の場で、拡声機を使ったりして日本以外の特定の国や地域の出身者に差別的な言動をすることを禁止する。違反者には勧告、繰り返した場合は命令を出し、それでも従わなければ氏名を公表し、同時に刑事告発する。表現の自由に配慮し、罰則の対象となる行為を厳格に絞り込んだ。市長は勧告、命令、告発の各段階で、有識者でつくる「差別防止対策等審査会」に意見を聴く。罰則は来年7月からの施行で、裁判を経て最高50万円の罰金が科される。
ヘイト禁止条例案を提出 市長「市民総意で制定を」(11/25)
市は25日、ヘイトスピーチに対して全国で初めて刑事罰を盛り込んだ「差別のない人権尊重のまちづくり条例案」を市議会に提出した。勧告や命令、氏名公表の際は学識経験者による審査会の意見を聴くなど、表現の自由の侵害につながらないよう配慮した。条例案は可決成立する見通しで、罰則を含めた全面施行は来年7月1日。福田市長は「全ての市民が不当な差別を受けることなく尊重され、人権尊重のまちづくりを推進するため、丁寧に議論を深め、市民の総意による条例制定に取り組む」と述べた。
ヘイト3回違反で罰金 市が条例案公表(11/15)
市は15日、ヘイトスピーチに刑事罰を科す「市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」公表した。市議会への提案を前に福田市長は、「市民の総意となる全会一致での成立を目指したい」と述べた。刑罰の対象となる差別的行為は、公共の場所で拡声器を使うなどし、外国出身者やその子孫に対し、「居住する地域から退去させることを扇動、告知する」「生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加えることを扇動、告知する」「人以外のものにたとえるなど、著しく侮辱する」とした。市の勧告や命令に従わず、3回目のヘイトスピーチが認められれば氏名を公表した上で、警察や検察に刑事告発する。勧告や命令に当たっては、市長が有識者らでつくる審査会の意見を聴く。刑事裁判で有罪となれば最高50万円の罰則が科せられる。
刑事罰要件を厳格化 公募意見受けヘイト条例素案を修正(11/14)
市は14日、ヘイトスピーチ条例についてパブリックコメントなどの意見を反映し、「表現の自由」への配慮から刑事罰を科す対象や要件を厳格化するなど素案を一部修正するとした。市長が発する勧告や命令に関して「有効期間を明確にすべき」との意見を受け6か月の有効期間を設けたほか、勧告や命令を出す際のヘイトスピーチを禁じる地域をその都度定めるとした。また差別的言動の構成要件について素案の「多数の者が一斉に大声で連呼」との記載は定義が難しいとして削除、「特定国出身者などを著しく侮蔑する」との要件についても、「人以外のものにたとえるなど、著しく侮辱」と文言を変えた。
ヘイト条例素案賛成64% 意見公募に2万6514件(11/14)
市は14日、ヘイトスピーチに罰金刑を科す全国初の条例素案に対するパブリックコメントが18,243通寄せられ、賛成は約64%、反対約26%だったと発表した。意見総数は26,514件で、ともに市が実施した意見募集としては過去最多。行政刑罰に関する意見は4,639件で、明確に賛成としたものが3,946件(約85%)あり、反対意見としては「罰則規定は過剰で、緊急性などがない」「罰則規定を設けても差別はなくならない」などがあった。
パブコメ過去最多の1万8千通 ヘイト罰則条例(8/19)
市が成立を目指しているヘイトスピーチに刑事罰を設ける全国初の条例へのパブリックコメントが1万8千通に達したことを、19日の定例会見で福田市長が明らかにした。市のパブリックコメントでは過去最多で、これまでの最多は3月に実施した鷺沼駅周辺の再開発に関する1万7829通(意見件数は2万3714件)。福田市長は「賛成、反対のどちらが多いかを問うものではないことが前提だが、条例に賛意を示すものが多いと聞いている。市外、県外からも意見が寄せられ、関心の高さは想定通り。受け止めるべき意見をしっかり受け止めていく」と話した。
ヘイト条例へ賛成署名4576筆提出 津田塾大生ネットで募る(8/9)
市が制定を目指しているヘイトスピーチに罰金刑を科す条例について、市のパブリックコメント最終日の9日、津田塾大(東京都小平市)の学生有志が賛成の署名4576筆を提出した。授業でヘイト問題を学んだ有志でインターネットの署名サイトで7月から約1か月間署名を募ったところ、<ここは日本だ。いやなら帰れ>などの在位日朝鮮人を攻撃する書き込みなどが約200件寄せられたという。市役所と市議会を訪れたメンバーは「議論が正々堂々とできない環境が残念。条例の素案で示された罰則を貫いてほしい」と伝えた。
ヘイト罰則条例パブコメに数千件の意見(8/6)
福田市長は6日の記者会見で、本年度中の制定を目指しているヘイトスピーチに罰金刑を科す差別禁止条例について、市のパブリックコメント(意見公募)に市内外から相当な件数が来ていると語った。パブコメには数千件寄せられており、これまで百件以上の意見が寄せられることはほとんどなく異例の多さとなっている。インターネット上ではパブコメに参加するように賛否双方が呼びかけ、反対する人からは「日本人に対するヘイトだ」などの意見もあり、市長は「(ホームページで公開している)素案を読んだうえで意見を寄せてほしい」と話した。
ヘイト条例素案に意見公募を 市民団体条例成立を後押し(8/3)
市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』川崎市民ネットワーク」は3日、ヘイトスピーチに罰則を設けた市の条例素案に意見を届けようとJR川崎駅前で街宣活動を行った。条例素案は実効性が期待できる画期的なもので、市民の声で全会一致の成立を後押ししようと訴え、9日まで市が実施しているパブリックコメント(意見公募)への応募を呼び掛けた。パブコメを巡っては、「言論弾圧」「日本人差別条例」といった事実誤認などに基づいた反対意見送付の呼びかけもインターネット上でなされている。