2019年の台風19号で被災し休館中の市市民ミュージアム(中原区)の今後の在り方について、市文化芸術振興会議(会長・垣内恵美子政策研究大学院大学教授)は12日、福田市長に答申を提出。現在地での再開はせず水害や土砂災害のリスクを避け利便性を考慮した場所への移転検討を求めた。さらに「博物館、美術館を融合したミュージアムの強みをいかす」とし、地域の歴史と文化の記録・継承、被災の事実を時代に伝えるなど9項目の活動の方向性を示した。
藤子ミュージアム10周年記念原画展 1年かけ680点公開(7/1)
市藤子・F・不二雄ミュージアム(多摩区)は開館10周年を記念した原画展を1日から開催する。主な作品を年代順に紹介し、初期から晩年までの軌跡をたどる。テーマ展示コーナーも設置し、3か月ごとに入れ替えながら約680点を1年かけて公開する(2022年6月30日まで)。第1期(10月4日まで)は「ドラえもん」「パーマン」などの代表作品のほか、「ぬすまれた王女さま」「死刑執行者」など初期の未発表原画を展示。
被災リスク避け再建 市民ミュージアム答申案まとまる(6/30)
2019年の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)の在り方を考える市文化芸術振興会議の検討部会が30日開かれた。まとまった答申案は「美術館、博物館の機能を併せ持つことで大きなシナジー効果が期待できる」とし、従来通り両分野を融合した「ミュージアム」としての方向性を打ち出し、施設は現建物では再開せず被災リスクが少なく利便性の高い場所での再建を求めた。7月中旬にも市長に答申する。
本市出身の浜口竜介監督に銀熊賞 ベルリン映画祭(6/13)
世界三大映画祭の一つ、第71回ベルリン国際映画祭の授賞式が13日開かれ、コンペティション部門で、最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)に選ばれた「偶然と想像」の浜口竜介監督(42)=川崎市出身=に銀のトロフィーが贈られた。作品は3話の短編からなるオムニバス形式で、偶然の出来事をきっかっけに登場人物の心に沸き起こる疑念や衝動を会話劇で描いた。日本では今年冬に劇場公開される。
コロナ禍の文化芸術活動を応援 会場使用料など半額補助(5/11)
市は、コロナ禍で影響を受けている音楽公演や展示会の主催者に、市内で行われる催しの会場使用料などの半額を補助する「文化芸術活動応援事業」を新たに始める。対象事業は音楽・演劇・舞踊・伝統芸能などの公演、絵画・写真・書道などの展示、映画やアニメなどの上映会。市内のホール、劇場、ライブハウス、ギャラリーを会場とし、コロナウイルスの拡大防止措置を十分とって行われる催しが条件。11日に募集要項を公開、17日から応募受け付け。
28日 川崎大師を描いた二代目広重 版木発見(4/28)
浮世絵師二代目歌川広重(1826~69年)が江戸時代の川崎大師の様子を描いた「江戸名所図会 平間寺」などの版木が見つかり、公益社団法人「川崎・砂子の里資料館」(川崎区)が購入したと28日発表した。この版木は多色刷りの前に墨一色で輪郭を写す「主版」で、版元、彫り師の名前も枠の余白に彫られている。「平間寺」には江戸の人々が厄落としで訪れる様子や、境内にあった名物のソテツが見て取れるという。
三角おむすび発祥にちなみ多彩な催し「東海道川崎宿2023まつり」(4/4)
2023年に東海道川崎宿が誕生して400年を迎える節目を盛り上げようと、「東海道川崎宿2023まつり」が4日、川崎区宮本町の稲毛公園で開かれた。ガイドの案内で川崎宿ゆかりの寺社など9か所を巡るツアーのほか、川崎宿が三角おむすび発祥の地と伝わることにちなみ実行委員長の池田ハルミさんが考案した「おむすび音頭」などが披露された。三角おむすびレシピコンテストの決選投票では、市立川崎高校1年の仲里菜々美さんの「サッパリおむすび」が109票を獲得して優勝した。
浸水収蔵品1204点追加廃棄へ 市民ミュージアム(3/15)
2019年秋の台風19号による市市民ミュージアム(中原区)の地下収蔵庫浸水被害で、市は15日、被災した収蔵品約22万9千点のうち、民俗史料のわら人形26点と戦後の漫画雑誌1178点を廃棄処分すると発表した。カビや虫の繁殖などで劣化が激しく、他の収蔵品にも影響すると判断された。漫画雑誌のうち「別冊リイドコミック」(20冊)「週刊少年キング」(13冊)を含む130冊は、国立国会図書館や出版社などでも所蔵が確認できなかったという。
岡本太郎賞に最年少18歳の大西さん コロナの悲惨題材に(2/19)
若き芸術家たちの登竜門とされる「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」の授賞式が19日、市岡本太郎美術館(多摩区)で行われた。最高賞の岡本太郎賞には史上最年少で大阪府富田林市の高校生大西茅布さん(18)の作品「レクイコロス」。次点の岡本敏子賞には高津区の彫刻家モリソン小林さん(51)の作品「break on through」が選ばれた。大西さんの題名は「レクイエム(鎮魂)」と「コロナウイルス」の合成語でコロナ禍の悲惨さが題材。人物の群像を描いた55枚のキャンバスが縦横各約5㍍、奥行き約4.4㍍の空間に並ぶ大作。
川崎駅西口にエンタメ劇場を整備 22年度完成目指す(2/16)
市は16日、JR川崎駅西口にお笑いライブや音楽イベントなどのエンターティンメント劇場を整備し、事業者にホリプロが代表の団体とすると発表した。JR川崎タワーに隣接する市有地約1千㎡を事業者が市から有償で借地し(原則20年間)、2022年度中の完成を目指す。市はにぎわいや回遊性とともに、都市的な緑地整備を行う地区と位置付け、昨年民間提案を募集していた。コンセプトは「緑のまちづくり」「音楽や映像のまちづくり」を推進するエンターテインメントホール「グリーンアートシアター」。大小二つのホールを整備し、音楽を軸にお笑いやトークショーのほか料理教室など参加型の催しへの活用を想定する。