被災収蔵品4万2237点廃棄処分へ 市民ミュージアム(1/21)

2019年の台風19号により浸水した市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品4万2237点を廃棄処分にすると21日、市が発表した。廃棄処分の85%は「漫画」の単行本と雑誌計約3万6300点が占め、手塚治虫の「鉄腕アトム」や、ちばてつやの「あしたのジョー」の単行本のほか、初版本なども含まれる。「写真」では、1924年以降の「アサヒグラフ」や「LIFE」など雑誌約4800点。「映像」で学校教材の16ミリフィルム約100点。「民俗」で、企画展用に制作された藁人形4点、「グラフィック」で1点。市は全被災収蔵品の修復を掲げてきたが断念した。今後、同館の指定管理者と協議して処分方法や時期を決める。

建物利用希望庁内なし 台風浸水の市ミュージアム (1/20)

2019年の台風19号で地下収蔵庫などが浸水した市市民ミュージアム(中原区)の建物について、庁内で利用希望を募ったが20日、希望がなかったことが明らかになった。ミュージアムの在り方検討部会は昨年11月、等々力緑地以外で新施設整備が望ましいとしており、市はミュージアムとしての使用をしないことを決めた。建物は建築家、菊竹清訓の設計で建築的価値が高い。市は建物の今後について検討を進める。同建物は築30年以上で、経年劣化が激しく、利用するには高額な費用が必要という。

本庁舎工事現場に56㍍の壁画 現代アーティスト5人共同制作(12/8)

市役所本庁舎の建設工事現場の仮囲いにスプレー缶や筆で描かれた「ミューラルアート(壁画)」が8日完成した。庁舎北側の一面にある高さ3㍍幅56㍍のスチール製”キャンバス“に、現代アーティスト5人が「江戸から現代・未来にかけての芸術、若者文化の成長や変化」をテーマに共同制作。時代の変遷を絵巻風に表現し、市歌の歌詞や市章などを盛り込み、江戸時代の忍者がブレイクダンサーにつながるなど遊び心溢れるストーリーも随所に詰め込む。新庁舎完成の2022年度まで公開予定。

「音楽の街・川崎」推進協に寄付 老舗菓子店「末広庵」(12/2)

「音楽のまち・かわさき」の活動に賛同し、関連商品をシリーズで販売している川崎区の老舗菓子店「菓子匠 末広庵」が2日、菓子の売り上げの一部約6万円を「音楽のまち・かわさき」推進協議会に寄付した。同社が森永製菓の特許技術を活かして商品化した大福「エンゼルのほっぺ」と、音楽のまち・かわさき10周年を記念し2014年に商品化したマドレーヌ「わおん」の売り上げ1個につき1円を寄付したもので、同社の寄付は5回目。

戦中に供出の江戸期の半鐘 川崎区の遍照寺へ戻る(12/2)

市教育委員会は2日、「武州橘樹郡河崎領」(現在の川崎市)の文字が刻まれた、江戸時代の希少な半鐘が静岡県で見つかったと発表した。表面の文字を解読した結果、川崎区中島の古刹、遍照寺に寄進されたもので第2次大戦中に金属供出されたものと判明。半鐘は高さ64㌢、重さ30キロの青銅製で、軍需工場だった静岡県富士市の鉄工所で保管されていた。同寺は1600年過ぎに建立、川崎大空襲で全焼したため井戸に沈め焼失を免れた木製のご本尊とともに、貴重な地域の財産にしたいという。

等々力緑地外移転で一致 市民ミュージアム(11/16)

昨年10月の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)の在り方を検討する市文化芸術振興会議の検討部会が16日開かれ、現在立地する等々力緑地での再開は困難として、同緑地外に新たな施設を整備することで一致した。美術館と博物館の機能は保ち、収蔵庫と展示室は基本的に分散せず、同一施設内に整備する。9~10月に実施した市民アンケートの結果も報告され、同ミュージアムに行ったことがある人は37%にとどまることがわかった。

市側は争う姿勢 市民ミュージアム浸水訴訟(11/2)

昨秋の台風19号で市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品の約9割に浸水被害が出た問題で、市民団体「かわさき市民オンブズマン」が市長や指定管理者らに計20億円を損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が2日、横浜地裁で開かれ、市側は請求棄却を求める答弁書を提出した。訴状によると、同館はハザードマップで浸水が想定されており、地上階へ作品を移すか浸水防止措置を取れば被害は防げたとしている。市側は、オンブズマンの住民監査請求を市監査委員が一部却下したことなどから訴えは不適法と主張した。

昨年の「しんゆり映画祭」上映中止問題を検証 監督らオンライン講座で(10/24)

昨年の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で、慰安婦問題をテーマにした映画「主戦場」の上映中止を巡って問題を検証する「連続オンライン公開講座」(全6回)が24日から始まった。初回はジャーナリストの金平茂紀さん、映画監督の森達也さんらが出演し、「目に見えない恐怖や不安」が背景にあると語った。第2回では上映中止に抗議して作品を引き揚げた白石和彌監督らが「問題が起こりそうな作品を事前に落とす動き」を懸念し、「上映中止になった過程をオープンに」などと話した。

昨年の一時上映中止問題検証 「しんゆり映画祭」25日から(10/6)

「KAWASAKIしんゆり映画祭」の実行委員会は6日、今年の映画祭を25日から4日間開催すると発表した。今年は従軍慰安婦をテーマにした映画「主戦場」が昨年、一時上映中止となった問題を踏まえ、事態の検証と経過を伝えるオンラインでの公開講座もシリーズで行う。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、規模を縮小して開く。実行委員会委員長で映画プロヂューサーの安岡卓治さんは、開催にあたって市側から「今後はプログラムに介入しない」との言質を得たと述べた。

ミュージアム美術品水没 市長らに損害請求(10/1)

昨年10月の台風19号で市市民ミュージアム(中原区)の地下収蔵庫が浸水し、収蔵品の9割近くが水没した問題で、市民団体「かわさき市民オンブズマン」は、市長や指定管理者らに20億円を請求するよう市に求める住民訴訟を横浜地裁に起こした。提訴は9月2日付。同館は多摩川沿いの低湿地にあり、ハザードマップでも浸水が想定されていたため、地下に収蔵していなければ被害は食い止められたとしている。収蔵品の総額は約42億円とされ、損害額は少なくとも半分の20億円に上ると見積もった。

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