ヘイト発言を監視 条例施行後初の街宣(7/12)

ヘイトスピーチに罰金刑を科す条例が全面施行された市で12日、初めて外国人排斥などを掲げる保守系団体による大規模な街宣活動がJR川崎駅前で行われた。これまで在日コリアンなどに対する差別的言動を繰り返してきた日本第一党の関係者らでつくる団体によるもので、プラカードを掲げるなどして抗議した市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさきネットワーク」は、条例に抵触するヘイト発言は確認されず条例が抑止効果になったと評価した。市職員は遠巻きに条例違反の言動がないかを監視した。

めぐみさん写真展 父・滋さん亡くなり市内巡回 (7/4)

北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん(拉致当時13歳)の写真展「めぐみちゃんと家族のメッセージ」が市の主催で4日、JR川崎駅北口自由通路で始まった。これまでも年間を通じて開かれてきたが、今年は川崎区に住む父の滋さんが6月になくなったことを受け、8月12日まで市内の市民館などを巡回する形で集中的に開催される。会場には40点以上のめぐみさんの写真や拉致問題を巡る年表、母早紀江さんおメッセージボードが展示された。

削除要請結論持ち越し ネット「差別」初の審査会(7/2)

1日全面施行した「市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、2日、被害者の救済に当たって有識者の意見を聴く「差別防止対策等審査会」(会長・吉戒修一元東京高裁長官)の初会合が開かれた。審査会は冒頭を除いて非公開で行われ、市が差別と判断したインターネット上の書き込み2件について、事業者への削除要請が妥当かどうかを諮問したが、他の書き込みとの関連を調べる必要があるとして結論を持ち越した。吉戒会長は会議後、「一般論として、ネットで名指しされることは相当の心理的負担がある。ただ、市として初のアクションになるので、慎重にならざるを得ない」と話した。

市パートナーシップ制度スタート 川崎区のカップル宣誓第一号(7/1)

LGBTなど性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」が1日スタートとした。川崎区の20代と30代の男性カップルが市役所で人生のパートナーとして生活を共にする宣誓書に署名し、市から第一号の受領書を交付された。都内の同じ運輸会社に勤める2人は、3年前に公正証書を作成し会社にパートナーとして届け出て、同区内で同居を始めたという。受領書に法的効力はないが、市営住宅の入居などの行政サービスや、携帯電話の家族割など民間サービスに利用できる。

ヘイトに刑事罰適用条例 全面施行 (7/1)

あらゆる差別を禁止し、根絶を掲げる「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が1日、全面施行され、全国で初めてヘイトスピーチに対する刑事罰の適用が始まった。市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」は「根絶に向けて大きく前進した」との声明を発表した。代表の関田寛雄さんは条例の全面施行を歓迎するとともに、インターネット上へのヘイト書き込みへの対応を今後の課題に挙げ、発信者の特定、差別根絶の技術の開発を訴えた。

横田滋さん市内病院で死去87歳 めぐみさん父(6/5)

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父,滋さん(87)=川崎区が市内の病院で亡くなった。拉致被害者家族会の初代代表を務めるなど妻の早紀江さん(84)とともに43年にわたり救出活動を続けた。横田さん夫妻は1990年頃から市内のマンションで暮らしており、マンションの住民有志は支援団体「あさがおの会」をつくり、めぐみさんの写真展を主催するなどしてきた。滋さんの死去を受け福田市長は「大きな悲しみと喪失感を禁じ得ない。めぐみさんの一日も早い帰国に向けて、思いを同じくする皆様とともに滋さんの遺志を継いでいきたい」とコメントした。

市営住宅の入居可能に 市パートナーシップ宣誓制度案発表(4/9)

市は9日、LGBTなど性的マイノリティ―の人権保護に向けて、同性カップルらを公的に認めるパートナーシップ宣誓制度の案を公表した。配偶者のいない成人市民が対象で、互いをパートナーと宣誓すると市が「証明カード」を発行。市営住宅への入居や、携帯電話の「家族割」、生命保険の受取人の指定など民間サービスを受けることが可能となる。横浜市などは婚姻届を出さない「事実婚」も対象だが、市は対象外とした。担当者は「生きづらさを抱えている性的少数者に絞った」と説明している。

差別防止対策審査会委員発表 ヘイト条例(4/8)

市は8日、「市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づきヘイトスピーチの認定に当たる差別防止対策等審査会の委員を発表した。石井忠雄弁護士、最所義一弁護士、人見剛早稲田大学院教授、棟居快行専修大法科大学院教授、吉戒修一弁護士の5人で任期は2年。人権侵害の被害者救済と権力乱用防止の観点から実務経験をポイントに人選したという。10日に第1回の審議会を予定していたが、新型コロナウイルスの感染防止のため中止された。

パートナーシップ制度7月導入を表明 市長(3/25)

福田市長は25日、性的少数者のカップルを公的に認証するパートナーシップ宣誓制度を7月1日に創設する方針を表明した。市人権施策推進協議会は「性的マイノリティーの人々の人権に関して」と題する制度の導入を求める答申を提出し、建石真公子会長(法政大教授)は、「誰を愛し、性をどう自認するかは個人の尊厳の中核をなす人格権。その保護は少数者の権利にとどまらず、全てのセクシュアリティの権利保護につながる」とし、パートナーシップ制度が重要と協調した。

罰則対象の言動例示 ヘイト条例解釈指針(3/16)

市は16日、ヘイトスピーチを繰り返した場合に刑事罰を科す人権条例の解釈指針を公表した。指針は条例の条文ごとに解釈を明示し、どんな行為が罰則の対象となるかを具体的に示すことで権力の乱用を防ぐ。ヘイトスピーチの定義については、排除、危害告知、侮辱の3類型ごとに「○○人をカワサキからたたき出せ」「○○人は殺されても仕方がない」「○○人はごみ」などと例示。一方、基本的に罰則の対象とならない行為として「日常生活での言い争い」「単なる批判や悪口」「歴史認識の表明や政治的主張」などを例示した。

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