従来通りの展示・収蔵は困難 市民ミュージアム(9/29)

昨年の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)のあり方を考える市文化芸術振興会議の検討部会が29日、開かれた。会合はオンラインで行われ、現在の施設で従来と同様に展示、収蔵することは難しいとの見方を示した。市側は、地上3階、地下1階の現施設の活用について、3階に展示スペースと収蔵庫、機械室を集約し、2階より下は研修室など収蔵品を扱わない再活用案を示したが、収蔵庫は雨漏りもある今の施設に残すべきでないとする意見で一致した。

文化賞に宮田さんら3人受賞 将棋棋士の本田さんアゼリア輝賞(9/15)

市は15日、本年度の「川崎市文化賞」などを6人と1団体に贈ると発表した。文化賞は元認定NPO法人教育活動総合サポートセンター理事長の宮田進さん(80)、元市青少年科学館館長の若宮崇令さん(77)、民謡歌手の伊藤多喜雄さん(69)の3人、社会功労賞は青丘者理事長の裵重度さん(76)、市歯科医師会会長の山内典明さん(66)、スポーツ賞は古希軟式野球チーム「川崎ブルーソックス」、今後の活躍が期待される「アゼリア輝賞」はプロ将棋棋士の本田奎さん(23)が選ばれた。

収蔵品修復費本年度だけで3億円 市民ミュージアム(7/31)

昨秋の台風19号で市市民ミュージアム(中原区)の地下収蔵庫が水没した問題で市は31日、被災した収蔵品の修復作業の経費は2020年度で、市の負担が約3億円、指定管理者の負担が約3千万円に上ることを明らかにした。指定管理者のアクティオ・東急コミュニティ共同事業体が搬出から洗浄、殺菌までの応急措置を請け負い、本格的修復は市が担当する。修復の完了時期や経費の総額は見通せないとしている。

市民ミュージアム「改修困難」 検討部会が初会合(7/28)

市は昨年の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)の在り方を考える検討部会を28日設置し、初会合を開いた。部会は垣内恵美子政策研究大学院大教授(部会長)、金山喜昭法政大教授、杉浦幸子武蔵野美術大教授ら、博物館や美術、建築など7人の学識経験者で構成。市側は休館中の現施設について「改修して利用するのは困難」との見方を示した。委員からは「施設のミッションをきちんと議論すべき」「被災の修復過程も発信することが必要」などの意見が出た。来年8月までに方針案を公表する。

神々の造形作品並ぶ古事記の世界 岡本太郎美術館(7/23)

空気を膨らませて立体的に形成された「空気膜造形」で知られる高橋士郎・元多摩美術大学学長(77)の作品を集めた「古事記展」が23日、市岡本太郎美術館(多摩区)で始まった。岡本太郎は出雲神話に興味を持ちスサノオノミコトをモチーフにした彫刻「神話」などを制作しており、同じく神話をテーマに奇想天外でユーモラスな作品を制作する高橋さんの作品展が企画された。会場には神々を表現した造形作品が並び、高さ約5㍍の日の紙や奥行き約7㍍のイザナギなどが並ぶ。入り口には高橋さんが制作した疫病をおさめるといわれる妖怪「アマビエ」の作品も展示されている。

日本画家大矢さん「ニコライ堂」など自ら修復 浸水被害の寄贈作品(7/16)

昨年10月の台風19号で浸水した市市民ミュージアム(中原区)の被災収蔵品のうち、麻生区在住の日本画家大矢紀さん(84)の「ニコライ堂」と「昭和新山」について、市は16日修復を終えたことを明らかにした。両作品とも長時間水に漬かり、破損が激しく業者による修復不能とされた。廃棄処分と聞いた大矢さん自ら修復と加筆を申し出たもので、「被災した作品はほかに20点余りあり、今後も可能な限り修復する考えだが、市は今後の保存方法をしっかりしてほしい」と注文をつけた。

東響コンサート無料配信 寄付を呼びかけ(6/23)

市は23日からミューザ川崎シンフォニーホールを拠点に活動するオーケストラ「東京交響楽団」のコンサート動画を、インターネット上で無料は配信する。新型コロナウイルスの感染拡大により演奏機会が減っている同楽団を支援するためで、9月末までの無料配信中に寄付を呼びかけ、寄付額に合わせて市も、無料招待チケットを購入して寄付を上乗せする。市は無観客コンサートを3公演を動画配信サイト「ニコニコ生放送」で無料配信し、1千万円を上限に集まった寄付と同額分のチケットを購入し、来年以降に同楽団が主催する公演に後日市民を無料招待する。

市民ミュージアム水没被害賠償を 市民オンブズマン監査請求(6/18)

昨年10月の台風19号で市民ミユージアム(中原区)の収蔵品が浸水したのは、市が適切な管理を怠ったためだとして、かわさき市民オンブズマン(川口洋一、篠原義仁代表監事)は18日、被害額を福田市長らに賠償させるよう住民監査請求した。請求書によると、大型台風の襲来は数日前から予想され、事前に万全の措置を講じる必要があったが、市と指定管理者は休館などの対応を検討したものの、地下収蔵や浸水対策をせず、収蔵品を上階に移し替えなかったことは市の違法、不当な財産管理にあたると指摘した。指定管理者は善管注意義務違反があったとしている。

プロのアーティストらに奨励金5万円支給(5/19)

市は19日、新型コロナウイルスの感染拡大で活動に支障が出ているプロのアーティストやスタッフらを応援するため、動画制作をする人に対し、1人当たり5万円(グループの場合は最大30万円)を支給する「市文化芸術活動支援奨励金」の募集を発表した。対象は①市内に住所または活動拠点がある②今年2月26日以前の1年間に市内で対価が支払われる活動をした実績がある③文化芸術活動の収入で生計を立てている④感染拡大により収入減が見込まれる、のすべてに当てはまり、ダンスや音楽演奏、短編アニメや絵画のライブ制作など、市民向けの動画作品を制作する人。市は600人相当の交付を想定している。6月10日までに市ホームページに必要事項を入力して送信する。

「草薙の剣」など浸水 市民ミュージアム被災作品公表(3/13)

昨秋の台風19号で市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品が被害を受けた問題で、市は13日歴史画の大家・安田靫彦さんの日本画「草薙の剣」、市文化賞受賞者の日本画家・大矢紀さんの「ニコライ堂」、詩人まどみちおさんの絵画などが浸水したことを明らかにした。市は個人情報などを理由に被災作品名を公表してこなかったが、作者や寄贈者らの了解が取れたことから公表。他にも県指定重要文化財の「春日神社の鰐口」、ロートレックのポスター「アンバサドュールのアリスティード・ブリュアン」、漫画家岡本一平さんの原画などが被害にあった。

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