市は2日、臨海部扇島地区のJFEスチール高炉休止に伴う土地利用方針案を策定した。約400㌶の土地のうち扇島地区(約280㌶)の東側を「先導エリア」(70㌶)とし、水素を軸としたカーボンニュートラルエネルギー(脱炭素燃料)の導入、日本初の大規模水素供給網の構築に向けた液化水素受入タンクの複数個設置など、2028年度の一部開始を目指す。概ね完成する50年度までの概算事業費は官民合わせて累計約2兆600億円、市負担は約2050億円、50年代半ばには税収分が事業費を上回るという。
127量子ビットの高性能量子計算機稼働へ 東大などKBICで(4/21)
東京大学と日本IBMは21日、国内最高性能となるIBMの次世代計算機「量子コンピューター」を2023年度中にかわさき新産業創造センター(KBIC、幸区)で稼働させる予定と発表した。性能の目安の一つとなる「量子ビット」数は127で、北米以外での稼働は初。KBICでは27量子コンピューターが稼働中で100超の量子ビットを備えたコンピューターの稼働により大幅に性能が上がる。創薬やAIなどの研究や人材育成に生かす。
「原発ゼロへ」集会に約800人 中原平和公園(3/12)
2011年の福島原発事故を契機として始まった集会「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき」が12日、約800人が参加して中原平和公園で開催された。コロナ禍が続き4年ぶりの対面での開催。会場には福島の現状を伝える展示や模擬店、沖縄舞踊や和太鼓などの舞台も。福島県の甲状腺がん裁判に取り組む北島賢二郎弁護士の報告、金子勝・立教大特任教授の原発に固執するガラパゴス日本の現状への警告などの講演の後、武蔵小杉駅までデモ行進した。
臨海部に液化水素基地整備 JFE高炉跡地に(3/9)
市は9日、臨海部が液化水素サプライチェーンの商用化実証の受入地に選定されたと発表した。JFEスチール(川崎区扇島)の高炉休止で生じる跡地の一部に、次世代エネルギーとして注目される液化水素の受入地を2030年度まで整備するもので、実証事業費は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基金など総額2900億円。大規模な受入基地は全国初で、民間企業のENEOSエネオス、川崎重工業の子会社・日本水素エネルギー、岩谷産業が商業化に向けて取り組む。
地域エネルギー会社の共同設立へ協定締結 市と事業者など(2/6)
再エネ電力の供給や電源開発、エネルギーマネジメントを柱に、地域新電力を展開する地域エネルギー会社の設立に取り組む市は6日、小売り電気事業者など3社(代表企業NTTアノードエナジー(株)、東急(株)、(株)東急パワーサプライ)と共同設立に向けた協定を締結した。今後は、横浜銀行や川崎信用金庫など金融機関4者を含め、資本金1億円の各出資額を決め、10月頃の会社設立を目指す。
食と音楽融合の川崎夜市 屋台・はしご酒・ジャズ(11/22)
市と地元商店街などでつくる実行委員会は22~23日、JR川崎駅東口周辺一帯で、食と音楽を融合させたイベント「川崎夜(よ)市(いち)」を開く。ルフロン前では元祖ニュータンタンメン本舗など市内約20店の川崎ソウルフード屋台」。ラ チッタデッラ周辺と仲見世通り商店街では飲食店57店舗参加の駅前史上最大規模のはしご酒イベント「川崎駅前バル祭り」。駅前広場とチッタ内の中央噴水広場ではジャズのフリーライブを開催。川崎夜市特別メニューと工場夜景を楽しめる東京駅ー川崎駅間のレストランバス「川崎夜市号」も運行。
ベンチャー企業創出・育成支援 KSPが米メリーランド州と提携(9/22)
インキュベーション施設「かながわサイエンスパーク(KSP)」(高津区)は22日、県がライフサイエンス分野の協力で覚書を交わした米メリーランド州とパートナーシップ提携を結び、ラリー・ホーガン州知事と窪田規一KSP社長が合意書に署名した。日米両国の市場への参入を目指す企業の支援と、ベンチャー企業の創出・育成支援を行うもので、提携は同州が海外企業誘致と米国企業の国際展開支援のために始めたプログラムに関連する取り組み。
世界初「電動タンカー」川崎港拠点に CO²削減を推進(4/14)
川崎港を拠点に運航する世界初の電動タンカー「あさひ」(492㌧)が完成し、東京電力エナジーパートナーと旭タンカー(東京都)、市が14日同港で記念式典を開いた。旭タンカーなどがリチウム電池を動力源とした電動タンカーを開発。同港に設置した大容量給電設備で充電から航行まで二酸化炭素(CO²)排出量ゼロを実現した。東京湾内で外航貨物船などへの給油を行い、災害発生時には、電動タンカーのバッテリーを非常用電源として市民らへの電気供給も想定する。
水素エネルギー利用促進へ大手企業と連携 京浜臨海部(3/30)
市は30日、京浜臨海部の脱炭素化に向けて水素エネルギーの利用を促進するため、市内の大手企業6社(ENEOS、昭和電工、JR東日本、東芝エネルギーシステム、旭化成、味の素)と連携して、具体的な水素供給方法の検討を始めると発表した。将来の水素利用を目指す企業をグループ化して京浜臨海部全体の需要を示し、供給側企業に働きかける狙いで、市は、製造時の二酸化炭素の排出が実質ゼロの水素を輸入し、臨海部を「カーボンニュートラルコンビナート」に転換する構想を掲げる。
全国信金と連携の「よい仕事おこしフェア実行委」 市と協定(3/25)
市と全国約250の信用金庫が連携する「よい仕事おこしフェア実行委員会」(事務局・城南信用金庫、東京都品川区)は25日、中小企業支援や地域活性化に向け、市と包括連携協定を結んだ。企業間連携を促し、知的財産のマッチングや事業の販路拡大、デジタル化など経営課題の解決を支援する。川本恭治・同信金理事長は、「単独でやれることは限られる。多摩川スカイブリッジが取り持つ縁のようにネットワークを広げ地域の役に立ちたい」と話した。