台風19号被害検証委 学識経験者4人を発表(2/20)

昨秋の台風19号による浸水被害を受け、庁内に検証委員会(委員長・藤倉茂起副市長)を設けている市は20日、検証内容について意見を聴取する学識経験者らを発表した。芝浦工業大学の守田優副学長(下水道)、東京大学大学院工学系研究科の古米弘明教授(下水道)、渋尾欣弘特任准教授(河川水害リスク)、知花武佳准教授(河川)の4人で、国土交通省から紹介を受けたほか、下水道・河川に関する国の検討委員会の委員経験者らを選定した。被災者らでつくる市民団体は中立性を損なうとして第三者委員会の設置を求めている。

第三者委設置や賠償求め請願 台風19号被災市民団体(2/14)

昨年10月の台風19号による浸水被害で、被災者らでつくる市民団体「台風19号多摩川水害を考える川崎の会」は14日、原因究明に向けた第三者委員会の設置や損害賠償、水害の再発防止、洪水危険地域の総点検などを市側に求める請願について4012人分の署名を添えて市議会に提出した。市民団体は、市職員を中心に検証作業が進められている現状に対し、自己検証では自らの責任を認める検証結果は期待できず、客観性、透明性の担保が必要と訴えた。

タワマン住民浸水対策を市長に要望 台風19号

昨年の台風19号で浸水被害のあった中原区の武蔵小杉駅周辺に立つタワーマンション住民らが21日、福田市長に再発防止を求める要望書を提出した。増水した多摩川の水が排水管から市街地に逆流したとして、逆流を検知するシステムの設置、ゲートを開閉する操作手順書の見直し、高層マンションのインフラ被害を想定した避難所の確保、予備電源の高層階への移設支援、浸水リスクの高い武蔵小杉駅横須賀線口周辺の恒久対策などを求めた。地下に浸水して長期間停電した1棟を含む周辺マンション12棟(計6886世帯)の管理組合が加盟するNPO法人が要望書をまとめた。

「原因究明第三者委で」多摩川浸水被害で市民団体要望(12/5)

台風19号による浸水被害を受けた被災者ら200人余が5日、浸水原因を究明する第三者委員会の設置などを求め福田市長あてに要望書を提出した。一部の被災者らは「台風19号 多摩川水害を考える川崎有志の会」を結成。「逆流防止を目的とする水門を閉じなかった市当局の判断はあまりにも不合理」と指摘し、第三者委員会設置のほか市が責任を認めて損害賠償することや速やかな再発防止策の実行を求めた。

水門操作手順見直し 台風浸水被害受け(12/4)

市は4日の市議会本会議で、台風19号による浸水被害の原因となった多摩川に雨水を排水する水門の操作手順について、本年度中に見直す考えを明らかにした。水門は逆流を防ぐためにあるが、操作手順では水門を占めると雨水が多摩川に排水されなくなるとして、「降雨の恐れがある場合は全開」と定めており、水門を閉じなかった。住民からは「閉じていれば多摩川の泥が流れ込むことはなかった」との意見が多く出されており、市は今回の対応が妥当だったかどうか検証する中で、並行して見直しを進める。

過去最長の市災害対策本部を廃止(11/12)

市は12日、台風19号の接近に伴い設置した災害対策本部について、市内で唯一残っていた避難所の「久地いこいの家」(高津区)が解消されたため廃止した。対策本部の設置期間は31日間で2011年の東日本大震災の26日間を上回り過去最長。対策本部は地域防災計画で、新たな災害発生の恐れがなく、応急対策がおおむね完了したときに廃止するとしており、避難所解消のほか市街地に冠水がなく道路の清掃などもほぼ完了したと判断した。

市の対応に批判 台風19号浸水被害で住民説明会(11/3)

台風19号で浸水被害を受けた中原区上丸子山王町地区で3日夜、市の対応や今後の対策について住民説明会があり、予定を大幅に超す約200人が参加した。市は多摩川に雨水を排水する「山王排水樋管」のゲートを閉めなかった経緯を説明したが住民から批判が相次いだ。増水した多摩川から排水樋管を通じて水が逆流したことが浸水の原因とされるが、ゲートを閉めると雨水が陸地にたまるため「総合的な判断」で閉めなかったと説明した。

台風19号による河川氾濫3か所(11/1)

市は1日の市議会常任委員会で、台風19号による市内の河川氾濫が、川崎区の河港水門、高津区の平瀬川、多摩区菅稲田堤の三沢川の計3か所で発生したと報告した。道路の冠水は幸区を除く6区で計25か所、土砂崩れは高津、宮前、多摩、麻生区で計7か所だった。災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の受付件数は10月30日現在、中原区24件、高津区35件、多摩区7件の計66件。

建物被害1407戸 浸水92万㎡ 排水管逆流5か所(10/23)

市は23日、台風19号による市内の建物被害調査の結果を発表した。中原、高津、多摩区の計2407戸のうち1407戸の被害を確認し、一部損壊1214戸、半壊174戸、大規模半壊4戸、全壊15戸(高津区)だった。中原、高津区を中心に発生した大規模浸水については、「増水した多摩川の水が排水管を通って逆流したのが原因」とした。川につながる排水管5か所で逆流があり、計約92万平方㍍が浸水、武蔵小杉周辺では45万平方㍍に及んだ、現時点での市内の浸水被害は計約1460件。

ボランティア派遣続く 台風19号の復旧作業(10/19)

台風19号の上陸から1週間過ぎた19日も市民らが復旧作業に追われた。市災害ボランティアセンターは、17,18日に延べ約60人のボランティアを派遣、19日には約90人が浸水被害のあった中原区の多摩川近くの民家などで被災した家財や泥の運び出しをした。多摩川河川敷の多摩川緑地バーベキュー広場(高津区)は当面の間、営業を停止し、近くにある二つの野球場はスコアボードやフェンスが倒れ、使用再開は来年の見通しという。

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