「日本人への差別的言動での立法事実はない」 本会議で市長答弁(6/9)

9日の市議会本会議の代表質問で自民党吉沢直美議員は、市差別のない人権尊重のまちづくり条例で外国ルーツの人たちへのヘイトスピーチだけが罰則の対象とされていることに疑問と不満が寄せられているとして見解を求めた。福田市長は、条例での規制は本邦外出身者の排斥を訴えるデモが繰り返され平穏な生活が脅かされたことによるもので、日本人に対する差別的言動については現時点でそうした立法事実はないとの認識を示した。

めぐみさん一日だけの写真展 横田滋さん一周忌(6/5)

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)の父滋さんが87歳で亡くなって1年となる5日、市は川崎駅北口自由通路で1日だけの写真展を開いた。毎年市内7区で開いている写真展「めぐみちゃんと家族のメッセージ」の一環。1976年に撮影された新潟県佐渡市の草原で微笑むめぐみさんの写真など新たな10点を含め、妻早紀江さんと同じマンション(川崎区)の支援団体「あさがおの会」が管理する50点が展示された。

ヘイト罰則条例の実効性を求め要望書 13500筆余の署名も(5/13)

ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の市条例が施行されて1年を迎えるのを前に、市民団体「ヘイスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」(関田寛雄代表)が13日、市に実効性ある条例の運用を求める要望書を1万3561筆の署名とあわせて提出した。要望書では、街宣を市が非難するなどの抑止策、差別的言動を判断する際の有識者審査会の積極的活用、市民から申し出のあったネット上のヘイトは原則審査会に諮問、迅速に削除要請する体制の確立などを求めた。

差別投稿へ賠償金増額 東京高裁判決(5/12)

在日コリアンであることを理由に差別的な投稿で人格権を侵害されたとして、当時市内の中学生だった中根寧生さん(18)が、大分市の男性に300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が12日、東京高裁であった。同高裁は「人種差別に当たり、人格権の違法な侵害」と認め、1審の91万円の賠償額を変更し130万円の支払いを命じた。中根さんは2018年、平和イベントに参加しラップで在日コリアンへの偏見をなくそうと訴え、地元紙に掲載された。大分市の男性は自ら開設したブログにそのネット記事を引用し「悪性外来寄生生物種」などと投稿した。

元市職員に損害賠償請求 ふれあい館脅迫はがき(5/10)

多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)に爆破予告の脅迫はがきを送ったなどとして威力業務妨害罪で懲役1年の実刑判決が確定した元市職員に市は10日、約180万9千円の損害賠償請求を行ったと発表した。請求の内訳は事件後の2か月間、同館に警備員を配置した臨時警備委託料や被害届提出など事件対応に要した市職員の時間外手当など。4月30日に服役中の刑務所あてに内容証明郵便を送付した。

ヘイトクライム対策を 崔さんらNGOが法務省に要請(4/23)

多文化共生施設「市ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンを脅迫する文書が届いた事件を受け、弁護士や研究者でつくる非政府組織(NGO)「外国人人権法連絡会」が23日、同会共同代表の田中宏・一橋大名誉教授、事務局長の師岡康子弁護士、ふれあい館館長の在日コリアン三世、崔江以子さんらが参加し法務省にヘイトクライム対策を要請する声明を提出した。た。要請では、米国で急増するアジア系住民への暴行を先の日米首脳会談で両首脳が非難したことに触れ、日本でも起きているヘイトクライムの実態調査や法整備、首相や法相が反差別のメッセージを出すなどの特別な対策を求めた。

学術会議任命拒否撤回求め署名開始 学者ら市役所で会見(4/9)

菅政権による日本学術会議の会員候補6人の任命拒否撤回を求め、県内の学者ら14人を呼びかけ人とする県民署名運動が9日始まった。呼びかけ人は学習院大の青井未帆教授、慶応大の小林節名誉教授、法政大の杉田敦教授らで、「学問の自由という重要な基本的人権を侵害し、憲法の人権保障の規定を踏みにじる」と批判。市役所で会見した山根徹也・横浜市大教授(西洋史)は「学問をゆがめる基本的人権の蹂躙は他の基本的人権の侵害に必ずつながる」と指摘した。

ふれあい館に再び脅迫文 「コロナ入り」菓子袋も(3/26)

多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)あてに在日コリアンを脅迫する文書が届き、26日在日コリアン3世の崔江以子館長は脅迫の疑いで、川崎臨港署に告訴した。18日届いた封書には「朝鮮人豚ども根絶やし」「コロナ入り残りカスでも食ってろ」「自ら死ね死ね死ね・・・」などの文言があり、開封済みの菓子袋も同封されていた。消印は東京都足立区内、差出人は男女2人の名前が記された「日本人ヘイトを許さない会」。代理人の師岡康子弁護士は「具体的で物理的な加害行為の危険性もある、極めて悪質」と指摘。同館には昨年も、脅迫はがきが届いている。

実効性ある救済と市民との対話 差別禁止条例に基づく答申(3/25)

市人権尊重まちづくり推進協議会(会長・建石真公子法政大教授)は25日、市人権施策推進基本計画の改定に向けた答申を福田市長に提出した。市差別禁止条例に基づく答申で、理念に差別の禁止と多様性の尊重を掲げ、実効性を高めるための人権救済の取り組みと、市民との対話を示した。理念を実現するため、「相談、人権救済、自立支援」を必要とする人に確実に届けることを求め、人権施策の評価や改善につなげる市民との対話を提言した。

市のヘイト罰則条例に合理性と評価 東京弁護士会オンライン学習会(3/23)

東京弁護士会は23日、オンライン学習会「差別禁止条例と憲法」を開き、奈須祐治・西南学院大教授(公法学)はヘイトスピーチに刑罰を科す市条例について「合憲性について評価が分かれているが、規制範囲が相当絞りこまれている」と指摘し、ヘイトのもたらす害や地域性に着目し、現場に近い自治体による条例の制定には合理性があると評価した。相模原市など他の自治体で規制を導入するにあたっては「ヘイトスピーチの状況が川崎市と同じである必要はない」との考えも示した。

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