多文化共生施設「市ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンを脅迫する文書が届いた事件を受け、弁護士や研究者でつくる非政府組織(NGO)「外国人人権法連絡会」が23日、同会共同代表の田中宏・一橋大名誉教授、事務局長の師岡康子弁護士、ふれあい館館長の在日コリアン三世、崔江以子さんらが参加し法務省にヘイトクライム対策を要請する声明を提出した。た。要請では、米国で急増するアジア系住民への暴行を先の日米首脳会談で両首脳が非難したことに触れ、日本でも起きているヘイトクライムの実態調査や法整備、首相や法相が反差別のメッセージを出すなどの特別な対策を求めた。
学術会議任命拒否撤回求め署名開始 学者ら市役所で会見(4/9)
菅政権による日本学術会議の会員候補6人の任命拒否撤回を求め、県内の学者ら14人を呼びかけ人とする県民署名運動が9日始まった。呼びかけ人は学習院大の青井未帆教授、慶応大の小林節名誉教授、法政大の杉田敦教授らで、「学問の自由という重要な基本的人権を侵害し、憲法の人権保障の規定を踏みにじる」と批判。市役所で会見した山根徹也・横浜市大教授(西洋史)は「学問をゆがめる基本的人権の蹂躙は他の基本的人権の侵害に必ずつながる」と指摘した。
ふれあい館に再び脅迫文 「コロナ入り」菓子袋も(3/26)
多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)あてに在日コリアンを脅迫する文書が届き、26日在日コリアン3世の崔江以子館長は脅迫の疑いで、川崎臨港署に告訴した。18日届いた封書には「朝鮮人豚ども根絶やし」「コロナ入り残りカスでも食ってろ」「自ら死ね死ね死ね・・・」などの文言があり、開封済みの菓子袋も同封されていた。消印は東京都足立区内、差出人は男女2人の名前が記された「日本人ヘイトを許さない会」。代理人の師岡康子弁護士は「具体的で物理的な加害行為の危険性もある、極めて悪質」と指摘。同館には昨年も、脅迫はがきが届いている。
実効性ある救済と市民との対話 差別禁止条例に基づく答申(3/25)
市人権尊重まちづくり推進協議会(会長・建石真公子法政大教授)は25日、市人権施策推進基本計画の改定に向けた答申を福田市長に提出した。市差別禁止条例に基づく答申で、理念に差別の禁止と多様性の尊重を掲げ、実効性を高めるための人権救済の取り組みと、市民との対話を示した。理念を実現するため、「相談、人権救済、自立支援」を必要とする人に確実に届けることを求め、人権施策の評価や改善につなげる市民との対話を提言した。
市のヘイト罰則条例に合理性と評価 東京弁護士会オンライン学習会(3/23)
東京弁護士会は23日、オンライン学習会「差別禁止条例と憲法」を開き、奈須祐治・西南学院大教授(公法学)はヘイトスピーチに刑罰を科す市条例について「合憲性について評価が分かれているが、規制範囲が相当絞りこまれている」と指摘し、ヘイトのもたらす害や地域性に着目し、現場に近い自治体による条例の制定には合理性があると評価した。相模原市など他の自治体で規制を導入するにあたっては「ヘイトスピーチの状況が川崎市と同じである必要はない」との考えも示した。
男女共同参画の視点からコロナ対策を 審議会答申(3/18)
市男女平等推進審議会(会長・戒能民江お茶の水女子大名誉教授)は18日、男女共同参画の視点から新型コロナウイルスの感染対策に取り組むよう福田市長に提言した。答申は、コロナ禍による社会環境の変化で家庭や職場での男女格差が深刻化・顕在化し、子育てや介護での女性の負担増、配偶者からの暴力や性暴力の増加が明らかになったとし、影響の検証と施策への反映を求めた。市は2021年度策定予定の「第5期市男女平等推進行動計画」に盛り込むとしている。
性暴力撲滅などを訴え市内で初のフラワーデモ(3/11)
花を手に、性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が11日夜、市内で初めて32人が参加して川崎駅前で開かれた。県内では横浜や県西に次いで3か所目。デモは、2年前に性暴力の罪に問われた男性に対する無罪判決が各地裁で相次いだことに抗議して始まり、オンライン上も含め、各地で毎月開かれてきた。「ジェンダー平等社会へ」「性差別・性暴力なくそう」などのメッセージを胸に掲げ、キャンドルの光の中で静かに立つスタンディングを行った。
差別扇動に早急な対策を 市民団体が市に要請(2/12)
市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」は12日、市内で街宣車による差別扇動が繰り返されているとして、早急な対策を市に要請した。街宣車はヘイトスピーチを繰り返した者に刑事罰を定めた市の条例について「憲法違反の条例」と訴え、「在日朝鮮人はやりたい放題」などの主張も流しているとして、市に条例に基づき毅然とした態度を示すよう、差別目的で拡散させているデマの否定とヘイト行為を非難する声明を求めた。
ヘイト条例1年の成果と課題を報告 市民団体が集会(12/12)
市の差別禁止条例成立一周年を記念して市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は川崎区内で条例の現状、成果と課題を考える集会を開いた。全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科す条例の理念が評価される一方、条例施行後も頻発する川崎駅前のヘイト街宣や差別落書き、ネット上のヘイト投稿の放置などの課題が報告され、「差別はやんでいない。市に実効性ある条例執行を求めたい」として、条例運用の改善を求める署名活動を始める。
崔江以子さんに東京弁護士会人権賞(11/30)
差別の被害を訴え、ヘイトスピーチ解消法や市条例の制定に尽くしたとして、川崎区の在日コリアン3世、崔江以子さん(47)が東京弁護士会人権賞を受賞した。30日、記者会見した崔さんは「私個人だけでなく差別を許さない、差別のない社会を願うみんなで受けた賞」と語った。崔さんは2015年に在日集住地区の同区桜本がヘイトデモに襲われたのを機に反ヘイト活動の先頭に立ってきた。同賞は人権擁護活動に貢献した個人・団体を顕彰するため、1986年に始まり35回目。