ヘイト禁止へ50万円以下の罰金 市条例素案(6/24)

市は24日、特定の民族や人種を侮辱し、憎悪をあおるヘイトスピーチを繰り返した場合、50万円以下の罰金を科す全国初の刑事罰を盛り込んだ「差別のない人権尊重のまちづくり条例(仮称)」の素案を公表した。市内の公共の場で違反があった場合、市長は違反行為をやめるように勧告、2回目の違反をした者にやめるよう命令、3回目の違反をした者の氏名や団体名などを公表し、市が被害者に代わって検察庁か警察に告発する。刑事罰を適用するかどうかは裁判所が最終的に判断する。インターネット上のヘイトについては、市が削除を要請し公表するなどの規定を盛り込むが、罰金の対象とはしないとしている。

ヘイト根絶へ刑事罰など要望 条例制定に市民団体(6/5)

市が本年度中の制定を目指している差別根絶条例について、市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は5日、山崎直史市議会議長に条例に盛り込んでほしい10項目の意見書を手渡し、理念条例でなく実効性ある条例を求めた。要請項目には、差別の禁止条項と刑事罰を含む制裁規定、市民が市にネット上の差別的書き込みの削除を求められる制度、昨年施行した公的施設の貸し出しを不許可にできるガイドラインの運用見直しなどを挙げている。

苦情126件・相談197件 2018年度市民人権オンブズ(5/30)

市市民オンブズマン(富田善範代表市民オンブズマン)と人権オンブズパーソン(小圷淳子代表人権オンブズパーソン)が2018年度の運営状況を報告書にまとめた。市民オンブズマンへの苦情申し立て受付件数は126件(前年度比47件増)で、人権オンブズパーソンへの相談件数は197件(同5件減)。苦情申し立ての内訳は、生活保護11件、施設利用8件、職員対応、都市計画が各7件の順で、処理件数は前年度からの継続分も含め146件、このうち趣旨が認められたものは37件だった。人権オンブズパーソンへの相談は、「子どもに関するもの」が135件で大半を占め、内訳は学校対応35件、いじめ26件、体罰7件、虐待3件など。

市の自衛官募集名簿提供は根拠薄弱 県弁護士会シンポ(5/13)

自衛官の募集業務に自治体が住民名簿を提供している問題で、神奈川県弁護士会が法的に考えるシンポジウムを13日開いた。市は2017年度から名簿の提供を始め、募集業務の効率化という自衛隊の要請に応じそれまでの台帳の閲覧から18歳と28歳の氏名と住所、性別、生年月日を抽出しリスト化した。パネリストの武井由紀子弁護士は、市が市個人情報保護条例の例外規定を根拠に提供していることは根拠が薄弱とし、「プライバシー侵害につながる問題に市が関わっていることに抵抗感を持つ市民がいる。結果的に自衛隊の不支持にもつながりかねない」と疑問を呈した.

自衛官募集で名簿提供「中止」を市民訴え(4/10)

市が自衛隊の求めに応じて対象者の名簿を提供していることについて、麻生区の女性(55)が10日、名簿提供をやめるように市に訴えた。高3の次男に自衛官募集の封書が届き、自衛隊に入るよう強要されているようで、個人情報の扱いになどに不安を感じたとしている。台帳の閲覧に限ってきた市が名簿の提供に変更したのは17年度で、住民基本台帳法に反するとして名簿提供の中止を求めている市民団体「安倍政権NO!オール川崎」も市との面会に同席した。市は名簿提供は個人情報保護条例に基づくものと回答している。

選挙運動での差別的言動に刑事事件で対処を 警察庁(4/9)

統一地方選でのヘイトスピーチが問題となる中、選挙運動で行われた差別的言動で違法性を認知した場合、刑事事件として対処するよう警察庁が全国の都道府県警に3月28日付けで通知していたことがわかった。その内容は、「選挙運動であっても差別的言動の違法性は否定されない。虚偽事項の公表や選挙の自由妨害など刑事事件として取り上げるべきものがあれば対処する。各都道府県の法務局などと連携する」となっている。

集団への差別表現も削除 法務省ネット対策拡大(3/21)

法務省人権擁護局は21日までに、インターネット上に氾濫するヘイトスピーチ対策として、不特定多数の集団に向けられた差別的言動も削除要請などの救済措置の対象に含めるよう、関係部局に通知した(8日付)。通知は「差別的言動は集団や不特定多数に向けられたものが少なくない」とし、「その集団に属するものが精神的苦痛を受けるなど具体的な被害が生じている場合、救済を必要とする『特定の者』に対する差別的言動が行われている」として、救済の手続きを進めるよう求めている。従来は原則、特定の個人・団体に対するものに限られていたが、在日コリアンなどが受けている被害の実態に即した。

選挙運動でもヘイトは違法 法務省通達(3/20)

法務省人権擁護局は20日までに、選挙運動で行われている差別的言動についての見解を各地方法務局に通達した(12日付)。通達は「選挙運動、政治活動の自由の保障は民主主義の根幹をなすもの」と前置きしつつ、ヘイトスピーチの違法性に言及し、「選挙運動として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく、その内容、態様などを吟味し、総合的かつ適切に判断、対応」することを求めた。各自治体にも周知し、見解を共有していく。当面、ヘイトデモや差別的扇動街宣が頻発している川崎市などの自治体に見解を通知していく。

「差別根絶」の人権条例骨子案を提示 罰則も検討(3/11)

市は11日、差別のない人権尊重のまちづくり条例(仮称)の骨子案を市議会に提示した。人権施策の計画的な推進を市の責務と定め、不当な差別の定義を「人権、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、出身、障害その他の事由」で不公平に取り扱うこととした。ヘイトスピーチについてはインターネット上を含めて市での実態を踏まえ、「実効性を確保する措置」を講じるとし、罰則規定を盛り込むか否かを表現の自由との整合性を含めて慎重に検討する。最終的な条例は12月議会に提出する方針。

女性社員に感謝のミモザ 国際女性デ―(3/8)

「国際女性デー」の8日、宮前区の化粧品メーカー「シーボン」が黄色の花「ミモザ」のブーケを女性社員に贈った。同社は女性が働きやすい環境づくりに取り組み、正社員約1000人のうち9割以上が女性で、9,10の両日「ラチッタデッラ」(川崎区)で開催される「ミモザ フェスタ」の一環。同施設では2004年からフェスタを始め、春の訪れを告げるミモザを買い物客にプレゼントしてきた。国際女性デーは女性の権利向上と差別撤廃を目指して国際婦人年の1975年に国連が定めた。イタリアでは「ミモザの日」と呼び、男性が女性にミモザを贈り感謝の気持ちを伝える習慣がある。

Top