有識者らによる「市人権尊重のまちづくり推進協議会」は25日、ネット上の人権侵害など5項目の検討結果をまとめ、福田市長に答申した。市差別禁止条例施行後もヘイトスピーチによる人権侵害が続いている現状を踏まえ、「実効性を持った施策が行われているか正確に検証することが必要」として救済が不十分と指摘。街宣やネット上での差別的言動への対策全般についても、市が審査会に諮問するよう求めた。
めぐみさんの写真など市バスで展覧会 拉致被害者支援(4/1)
北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(拉致当時13歳)の写真を展示した市バスの車両が、1日から走行した。母早紀江さんと同じマンション有志の支援団体「あさがおの会」主催。めぐみさんの成長記録の写真とともに「めぐみを助けてください」とのメッセージが添えられ、塩浜、上平間、鷲ヶ峰の各営業所所属の路線バス各1台にポスター16枚ずつ展示。できるだけ多くの乗客の目に触れるよう、毎日違う路線を走る。展示は6月末まで。
ネットヘイト被害からの迅速な救済訴え 在日の崔さん(2/15)
人権課題への対応を審議する市人権尊重のまちづくり推進協議会(会長=建石真公子法政大教授)が15日開かれ、川崎区の在日コリアン三世で「市ふれあい館」館長の崔江以子さん(48)が、同僚から贈られた防刃アームカバーと護身用警棒を用意して臨み、証言した。崔さんは、ネット上のヘイトスピーチについて心身への深刻な被害を訴え、ネット上のヘイトを市条例の勧告や罰則の対象とし、新たなネットモニタリングによる迅速な救済を求めた。
ネット投稿5件「ヘイト」認定 削除要請へ(12/23)
市の差別禁止条例に基づく有識者審査会は23日、ネットへの投稿5件を「不当な差別的言動」と認め、掲載したツイッターの4件と掲示板「5チャンネルの」の1件の各運営者への削除要請が適当と判断した。吉戒修一会長は条例制定から2年過ぎ、運営者が市からの削除要請に応じる事例も増えていると評価。一番目立つ人を対象にその背後の特定の出身国の人を攻撃しているとし、ヘイトスピーチを丁寧につぶしていくのが人権救済と語った。
審査会に諮問し審議を 在日コリアンへの侮辱発言に市民団体(12/16)
市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』川崎市民ネットワーク」は16日、9月の街宣での在日コリアンを侮辱する発言に対し、条例に基づく有識者審査会を活用するよう市に要請した。街宣で、在日コリアンの子どもたちを「寄生虫」に例えて「国へ帰るべきだ」などと発言。市は外国人であることを理由にしたものでないとし、罰則規定に抵触しないと判断してきた。要請では諮問の判断を市職員だけでせず、条例12条に明らかに該当しないもの以外はすべて審査会に諮問し、審議を求めるとしている。
ヘイト条例のパネル討論会 韓国総領事館・民団主催(11/23)
「地域から人種差別をなくそう 条例制定の現状と課題」と題したパネルディスカッションが23日、駐横浜大韓民国総領事館と在日本大韓民国民団県地方本部の主催によりカルッツかわさきで(川崎区)で開かれ約70人が参加した。市ふれあい館の崔江以子館長は基調講演で「市の反ヘイト条例は宝、この希望を全国に届けたい」と述べ、師岡康子弁護士や神奈川新聞の石橋学記者ら4人が議論した。
ヘイト投稿で40代男性を提訴 在日コリアン・崔さん(11/18)
インターネットの匿名ブログに差別的投稿をされたうえ、4年以上にわたり誹謗中傷を繰り返され精神的苦痛を受けたとして、在日コリアン3世の崔江以子さん(48)が18日、北関東に住む40代男性に対し305万円の損害賠償を求め、横浜地裁川崎支部に提訴した。男性は2016年6月「ハゲタカ」と名乗るブログに崔さんを名指しし「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」などと記載。運営会社が削除した後もブログやツイッターで「差別の当たり屋」「被害者ビジネス」など執拗に繰り返した。
「希望を持って待っていたい」母の思い 横田めぐみさん拉致44年(11/15)
横田めぐみさん=失踪当時(13)が北朝鮮に拉致されてから15日で44年になるのを前に母親の早紀江さん(85)が自宅マンション(川崎区)で記者会見した。「焦燥感というか、疲れがどんどんたまっていく」としながら「何もわからない状態の中でも希望を持って待ってあげたい。それが本当の親の思い」と語った。めぐみさんが小学6年の時の書初め「元朝の志」も披露された。
FB投稿ヘイト認定し削除要請へ 市審査会(10/29)
市差別防止対策等審査会(会長・吉戒修一弁護士)は29日、フェイスブック(FB)の投稿1件を「不当な差別的言動」と認定し、「FBの運営者に対し削除要請をすることが適当」との答申案をまとめた。FBは6月に差別投稿と認められたツイッターと同様の内容で、特定国の出身であることを理由とした地域からの排除や侮蔑的表現を含む。ツイッターは削除されたが、FBは閲覧できる状態という
「寄生虫」の街宣発言 ヘイト不認定に抗議(10/7)
市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は7日、在日コリアンを「寄生虫」などと表現した街宣の発言をヘイトスピーチに刑事罰を科す条例に違反しないとした問題で、抗議の意思を示し、この発言を有識者審査会に諮問するよう要請した。在日三世の崔江以子さんは「禁止・罰則規定を不自然なほど狭く解釈し、条例が機能していない。差別にお墨付きを与えている」語った。